平成16年度見学会
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- 東京電力(株)東群馬変電所,上久屋発電所取水ダム見学会
電気学会群馬支所は平成15年9月25日(木)に東京電力(株)東群馬変電所,上
久屋発電所取水ダム の見学会を開催した。参加者は電気学会会員7名,大学関係の教職員10名,学生11
名の計28名である。 最初に見学した岩室発電所と上久屋発電所取水ダムは大正ロマン漂う施設であ
る。岩室発電所は大 正4年(1915年)に利根発電会社が建設した発電所で,利根川の支流片品川の水を
利用して,1万KW以 上の発電を目的とした,当時としては画期的な発電所であった。建設途中第一次
世界大戦で当初計画 のドイツ製水車と発電機は輸入できず,水車は日立製作所が国内初の1万馬力水車
を製作し,発電機は GEから輸入した。発電機と水車は昭和30年に更新したが,発電所の建物は現在も
残っており,当時の 走行クレーンも稼動している。また,下流の上久屋発電所への取水口が歩いて数
分のところにあり, これは当時のまま残っている。石造りでなかなか迫力があり,大正ロマンを感じ
ながら,日本の近代 化を支えた当時の電力設備を見学することが出来た。 次に見学した東群馬変電所は最新鋭の50万ボルトの変電所である。この変電所
は群馬県の名峰,赤 城連山最高峰黒桧山の北側1,100m地点に位置している。東京電力(株)の50万ボ
ルトの送電線ネット ワークは,福島県,新潟県の原子力発電所や群馬県,長野県,栃木県の水力発電
所,そして太平洋側 の火力発電所から関東圏に向かって電力を送る放射状送電線と,送られてきた電
力を効率よく配分す るために関東圏を二重に取り囲んでいる環状送電線とで構成されている。これら
の送電線を連係する 拠点として変電所がある。東群馬変電所は100万ボルト設計の東群馬幹線と50万ボ
ルト送電線の新赤城 線の間に位置する変電所で,平成11年4月に運転を開始した。その設備としては,500kV
,6回線, 275kV,2回線用に500/275kV,1000MVA変圧器,500kVガス絶縁開閉装置(GIS)な
どがある。変圧器は ロードタップチェンジャー(LTC)内蔵で,積雪量130cm,最低気温-15℃に対応す
るように融雪装置や 凍結,着雪防止の設計としている。 最後に,見学会の立案,実行にご協力いただきました東京電力(株)の高橋氏
,川本氏その他関係 各位に感謝いたします。
東京電力(株)岩室発電所にて
- サンデン株式会社 赤城事業所 サンデンフォレスト見学会
電気学会東京支部群馬支所では9月5日(金)にサンデン株式会社赤城事業所の見学会を開催した。
参加者は25名(電気学会会員はミツバ,日本サーボ,北爪電気事務所各1名,前橋工科大学2名の計
5名,学生12名,教職員8名)であった。
見学会は現地集合,現地解散で午後1時30分から3時30分の時間に開催された。ビデオによる
事業所の説明の後,「サンデン製品における電子制御機器技術」と題して,サンデン(株)技術本部技
術開発センターの小島政邦氏の講演会が開催された。それに引き続いて,自動販売機および冷蔵ショー
ケースの製造工程とサンデンフォレストを見学した。工場では,最先端の無排水塗装工場やリサイクル
センターなど,製品の製造から廃棄至るまで環境に配慮した設備を見学することが出来た。またサンデ
ンフォレストには,ビオトープや蛍の里があり,希少植物の保護や里山の復元に取り組んでいる様子を
うかがうことが出来た。21世紀型の自然環境や地域と共存する新しい工場の姿を見学することが出来
,大変有意義な見学会であった。
最後に,お世話になりましたサンデン(株)の滝沢敏弘氏,小島政邦氏をはじめ関係各位に感謝い
たします。
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