平成24年度講演会



演題   センサネットワークとその応用例
講師   大槻 知明 氏
      (慶応義塾大学 理工学研究科 開放環境科学専攻)
日時   平成25年1月17日(木) 14時30分〜16時00分
場所   前橋工科大学 1号館 142教室(群馬県前橋市上佐鳥町460番地1)
主催   電気学会東京支部群馬支所
協賛   NPO Wireless Brain Network
      前橋工科大学 工学部 システム生体工学科

 この講演会は、現在進行中のユビキタスセンサネットワークの現状と将来を電気学会会員および学生・教職員に広く知っていただくために企画された。参加人数は122人(学生:112人、教職員10人)であった。  センサネットワークは、数多くの小型センサが主として無線によりネットワークに接続され、環境情報や、装着された人間の行動などの計測情報を集め、それをもとに様々なアプリケーションやサービスを提供するネットワークを指す。本講演では、センサネットワークの歴史を通して、その概要を示し、期待される様々なアプリケーション・サービスが紹介された。センサネットワークのキーテクノロジーは、MEMS(Micro electro-mechanical systems)、無線通信、そしてデジタルエレクトロニクスである。このネットワークの特徴は、センシングと簡単な信号処理・通信、小型、低消費電力、自立分散通信、そしてアドホック通信である。この特徴を活かして様々な応用が期待される。たとえば、医療・健康管理、防犯・セキュリティ、防災、環境モニタリング、農産物の各種生産過程のモニタリングなどが挙げられる。講演者が取り組んでいるセキュリティ・見守り用途の応用例では、電波を用いた防犯や一人暮らしを見守るドプラーセンサを用いた行動パターン認識など、興味深い応用例が紹介された。









演題   電気自動車分野にまで拡がる小型モータ関連技術の動向と展望
講師   大西 和夫 氏
      (電気学会IEEJプロフェッショナル)
日時   平成24年12月10日(月) 12時40分〜14時10分
場所   群馬大学工学部3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は97名(内,学生90名,外部4名,教職員3名)であった。  まず,小型モータが大型モータとは異なり用途指向に徹して発展してきた結果を踏まえて,その種類と構造面での特徴について分かりやすい図面を用いて説明された。続いて,モータの適用分野ごとにハイライトしながら,技術の変遷と新技術の開発状況についての説明があった。特に,モータ技術の結実として注目される電気自動車駆動用モータについて詳しく説明された。電気自動車駆動用モータとしての課題は(1)広範囲の可変速運転に適するモータの開発,(2)永久磁石材料であるレアアースの資源問題を解決するモータの追及であることを挙げ,最新の開発状況について説明された。最後に,今後の開発の急所として,(1)モータを小型化するには回転速度を上げるのが第1である。減速装置とその周辺の整備,モータの鉄損低減が必要である,(2)コイル磁束を大きくし,極対数(SRM:ロータ突極数) を多くする,(3)コイルの抵抗を減らし(断面積 を大きく,長さを短く),かつコイルの数は極力少なくする,(4)許容電流を大きくするために,鉄損を減らし,冷却をよくする,(5)モータ内部に極力無駄な空間がなく,無駄な動きもなくする,を挙げて説明された。  講師の大西和夫氏は日立研究所,日本サーボ研究所で研究開発を行い,現在も電気学会プロフェッショナルとして活躍されるなど,世界をリードしてきた小型モータの分野で先頭を走ってこられた。その方から将来展望などを聞くことが出来,大変有意義な講演会であった。









演題   A Wide Range Frequency Adaptive Synchronization System for Monitoring and Control of
      Power Systems
講師   Mr. Adrian Z. Amanci
      (The University of Toronto, Canada)
日時   平成24年9月4日(火) 11時20分〜12時00分
場所   群馬大学工学部3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は28名(内,学生19名,外部3名,教職員6名)であった。
A three phase synchronization system suitable for control and monitoring of power systems applications is presented. The Positive Sequence Filter Synchronization System (PSF-SS) is frequency adaptive and provides real time frequency, amplitude and phase estimates of the extracted positive sequence component. The PSF-SS is capable of operating over a wide range of frequencies (40-800Hz), and in the presence of significant input signal distortion (THD100%). The PSF-SS is capable of achieving parameter estimations within 0.5% of the nominal value for worst case scenarios. The system employs adaptive filtering techniques that offer a high degree of immunity to harmonics, inter-harmonics and notch-types disturbances over the full range of operation. In the event of input transients such as balanced/unbalanced amplitude sags and swells, balanced/unbalanced phase steps and positive/negative frequency ramps (250Hz/sec), the system achieves a worst case transient response time of 2 cycles of the input period. The PSF-SS is implemented as a proof of concept on a field programmable gate array. The proposed system has the highest frequency ramp tracking capability of any positive sequence synchronization system developed to date.









演題   Vision: color and intensity perception
講師   Professor Francis Dawson
      (The University of Toronto, Canada)
日時   平成24年9月4日(火) 10時20分〜11時20分
場所   群馬大学工学部3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は28名(内,学生19名,外部3名,教職員6名)であった。
Human vision is a complex process. Incoming spectral information is converted into electrical signals which is then processed and perceived in terms of intensity and color. The design of lamp systems require careful shaping of the spectrum so that objectives viewed with a lamp have a color which looks similar to what one observe under daylight conditions. This presentation gives a brief introduction on the properties of the eye and how visual images are processed. This is followed by a description on how the spectral qualities of the light source or light reflected from an object are processed by the eye in terms of an intensity and color. The presentation concludes with a summary of current trends in light emitting diode technology and how the user can control the intensity and color of the emitted light.









演題   ループ電流の電磁機器解析への応用と展望
講師   石橋 一久 氏
     (元東海大学教授,ABB Switzerland Ltd非常勤研究員)
日時   平成24年7月19日(木) 12時40分〜14時10分
場所   群馬大学工学部3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は83名(内,学生80,教職員3名)であった。 磁性は微小なループ電流に基づく磁気双極子に起因するという概念にしたがいアンペアは電磁現象を説明している。ループ電流はスカラーとベクトルとを併せもつ量で,そのつくる磁界は磁気殻のつくるものと完全に同一であることより,クーロンの法則とビオサバールの法則とが関連づけられ,ループ電流を電磁気の基本量とする概念より静電界と静磁界とが統一的に扱える。 最初に,積分方程式による静磁界解析の基礎として,スカラー積およびベクトル積,勾配と発散および回転の定理,クーロンの法則およびビオ・サバールの法則,表面磁荷および表面電流による不連続磁界について説明された。次に,積分方程式による静磁界の定式化法として,等価磁荷,等価電流,ループ電流の説明があった。続いて,静磁界の境界積分方程式による解析の説明があり,最後に,解析例として多体問題(軸対称2次元),磁気シールド問題,多体問題(3次元)の例が示された。 講演会終了後,参加学生から論文を読んで勉強したいというメールが来たとの連絡を受けるなど,学生にとっても有意義な講演会であった。








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