平成29年度講演会



演題   医療機器の開発から事業化に向けての難しさ −体内植込み型補助人工心臓開発の経験から−
講師   金箱 秀樹 氏
     (Cardinal Health Japan合同会社 薬事信頼性保証部 部長)
日時   平成30年1月19日(金)16時00分〜17時30分
場所   群馬大学 理工学部 3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は48名(内,学生46名,教職員3名,外部0名)であった.
本講演では,体内植込み型補助人工心臓開発の経験を基に,医療機器の開発から事業化に向けての難しさについてご説明いただいた.心臓移植は法改正などにより近年増加しているが,それ以上の移植待機登録者がいるために移植まで3〜4年の長い期間待たなければならない.人工心臓はその移植までの時間,命をつなぐために用いられるが,長期間使用されるため非常に高い信頼性が求められている.信頼性を保証するため,メーカは研究から開発,販売まで高いレベルでの工程管理をしなければならず,さらに申請にも時間を要する.これらの背景を踏まえ,異業種からの参入の難しさや事業化のために準備しておかなければならない事柄についてとてもわかりやすくご解説いただいた.







演題   新構造圧電センサ AYA-P の開発とその応用
講師   石黒 隆 氏
     (太陽誘電株式会社 機能デバイス開発部 工学博士)
日時   平成29年12月7日(木)13時00分〜14時20分
場所   前橋工科大学 1号館 151教室(群馬県前橋市上佐鳥町460番地1)
主催   電気学会東京支部群馬支所
協賛   NPO Wireless Brain Network
     前橋工科大学工学部システム生体工学科
参加人数は187人(学生:173人,教職員:12人,外部:2人)であった.
超高感度圧電素子を利用した速度検出型小型圧電振動センサ (AYA-P)を利用した医療応用,生体情報センシングについて講演して頂いた.
石黒氏が開発を進めているAYA-Pは1 Hz付近での感度が従来に比べて10万倍の感度があり,そのセンサを用いて圧脈波の計測といった生体情報の計測に関する応用事例が紹介された.





演題   トヨタ自動車のパートナーロボット
講師   奥松 美宏 氏
     (トヨタ自動車株式会社 パートナーロボット部 基盤技術開発室共通要素グループ 主任)
日時   平成29年11月27日(月)12時40分〜14時10分
場所   群馬大学 理工学部 3号館5階509教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者は79名(内,学生72名,教職員6名,外部1名)であった.
本講演では,将来人間の生活を支えるであろうパートナーロボットの現在と将来についてご説明いただいた.また,現在のロボットのトレンドについて動画等を用いて親しみやすく紹介していただいた.今後のロボットに盛り込まれる機能として「やさしさ」,「賢さ」を挙げ,人間のパートナーとして生活するために,ロボット自身が人間の感情を読み取り行動するようになるだろう,ということを示唆された.最後に,トヨタ自動車での空飛ぶ車の例を挙げ,自分の夢や作りたいものがあり,意思を持って主張すれば自分の仕事にできると,今後就職活動をする学生を激励された.







演題   "DC Microgrid - a SEL approach"
講師   Jiang Wei氏
     (Ph.D., Associate Professor, Department of Electrical Engineering, Yangzhou University)
日時   平成29年7月24日(月)10時20分〜11時50分
場所   群馬大学 理工学部 総合研究棟402教室(群馬県桐生市天神町1−5−1)
主催   電気学会東京支部群馬支所

参加者数は145名(内,学生143名,教職員2名)であった.
本講演では,DCマイクログリッドの基本から応用,研究課題まで分野外のエンジニアにも分かるよう,ご説明いただいた. DCマイクログリッドは現在,新しい形態のエネルギー流通技術として,学界や産業界から多くの注目を集めているが,このDCマイクログリッドでは,再生可能エネルギー源とエネルギー貯蔵の統合の簡単化,エネルギー効率の向上,高度な負荷管理を可能にするとのことであった.また,揚州大学(Yangzhou University)Smart Energy Laboratory(SEL)でのDCマイクログリッドに関する先端研究であるマルチポート電力変換器,PV用モジュラ変換器,車両とDCグリッド統合用の空中結合型双方向コンバータなどについても丁寧にご紹介いただいた.いずれの技術も今後のエネルギー需要・供給にとって重要な役割を果たして行くであろうことが強く伝わってきた.







これまでの活動を紹介 <講演会>のページに戻る