主催 :群馬県、群馬地区電気使用合理化委員会、群馬県電気協会
後援 :電気学会東京支部群馬支所他
日時 :平成15年 2日7日(金)13:00〜16:00
場所 :群馬県公社総合ビル 前橋市大渡町1−10−7 TEL
027-255-1166
参加者 :314名(電気学会案内による参加者14名)
演題 :省エネルギー法の改正
講師 :関東経済産業局資源エネルギー部エネルギー対策課
省エネルギー対策官 杉本芳文氏
演題 :群馬銀行本店リニューアル工事における省エネルギー実践事例に ついて
講師 :群馬銀行総務部参事役 中嶋善樹氏
以下の写真は、群馬地区電気使用合理化委員会委員長、群馬県商工労働部長 寺澤康行氏と講師の杉本芳文氏である。
講師 上村 靖司 氏(長岡技術科学大学機械系講師)
主催 電気学会東京支部群馬支所
日時 平成15年1月21日(火) 12時40分〜14時10分
場所 群馬大学工学部3号館4階大学院ゼミ室(群馬県桐生市天神町 1-5-1)
参加者は32名で,内,学外からは澤藤電機,東京電力の計2名であった。
群馬支所長の挨拶の後,長岡技術科学大学機械系講師の上村靖司氏が「雪がエネルギーに変わる!?」と題して講演した。 最初に,雪氷の冷熱エネルギー利用の歴史について概観した後,その利用による得失と今後本格的に普及するための用件について,わかり易く解説された。雪氷の冷熱利用の歴史は古く,日本でも平安時代にまでさかのぼる。現在では,住宅の雪冷房システムや雪冷房米貯蔵施設などに(1999年時点で)37施設ある。雪氷の冷熱エネルギーを利用するメリットとしては,冷房の場合,冷凍機が不要であることや空気が清浄になること,農産物貯蔵の場合,0℃程度の温度,100%近い湿度,暗黒という貯蔵にきわめて良好な環境が容易に実現されることが挙げられる。デメリットは経済性である。1tの雪の持つ冷熱エネルギーは潜熱だけで335MJ/t(93kWh)あり,通常の冷凍機と比較すると713円の価値を持つ。しかし,距離2〜3kmの輸送コストは2000円/tかかってしまう。従って,輸送をほとんどしない状態でなければ採算が合わない。 現在,新エネルギーの必要性が求められているが,平成13年6月に取りまとめられた「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会」の提言を受け,「新エネルギー利用等に関する特別措置法」に規定される新エネルギーとして,本講演会でとりあげた「雪氷の冷熱エネルギー」が追加されようとしている。このような時期に,本講演会を開催することができ,大変有意義であった。
講師 中島 達人 氏(東京電力(株)技術開発研究所 主管研究員)
主催 電気学会東京支部群馬支所
日時 平成14年12月11日(水) 12時40分〜14時10分
場所 群馬大学工学部3号館5階E4教室(群馬県桐生市天神町 1-5-1)
参加者は77名で、内2名は学外からの会員であった。
電気は交流で各家庭に送られているが、分散型電源、例えば各家庭に配置された太陽電池の出力は直流であり、直流から交流への変換が必要である。この変換にはインバーター回路が用いられるが、このインバーター回路を含むパワーエレクトロニクス技術は、電力系統を柔軟に制御したり、従来の技術では難しい高度な機能を備えたり、機器の効率を向上させるメリットがあるため、電力系統のさまざまな分野への適用が進んでいる。講演では、太陽電池の例の他に、電力貯蔵装置、電力品質補償装置、可変速揚水発電、直流送電について、それぞれ例を用いて分かり易く説明があった。 例えば、電力貯蔵装置では、NAS電池システムについて説明があった。通常、電気は蓄えておくことができないが、大規模な燃料電池を充電することで、電力の貯蔵もある程度可能となる。NAS電池システム利用の目的の一つは電力需要の平準化である。1日の電力需要の時間変化はお昼過ぎに最大となり、夜間の需要は減少する。発電所は最大電力需要をカバー出来るように用意する必要があるが、夜間は大きな発電量は必要ない。この需要の差を平均化する一つの方法として、夜間にNAS電池システムを充電し、昼間放電することで最大電力の需要時に必要な発電量を減らすことができる。もう一つの目的としては瞬低対策がある。雷や系統の事故等に起因して電圧が低下した場合、NAS電池システムから放電し、電圧が低下するのを防ぐことができる。いわば大きな無停電電源が電力系統に接続されていることになる。 中島氏は、実際にNAS電池システムの開発に携われ、大仁変電所に設置した例のように、現場での話を交えて説明され、また熱心な質問も多く出され、大変有意義な講演会であった。なお、本講演会に対して、群馬大学工業会より平成14年度教育活動支援事業費の補助を受けたことを付記する。
講師 大山和伸氏( (株)ダイキン空調技術研究所 取締役社長)
主催 電気学会東京支部群馬支所
日時 平成14年11月27日(水) 12時40分〜14時10分
場所 群馬大学工学部3号館5階E大教室(群馬県桐生市天神町 1-5-1)
参加者は88名で,内,学外からは三洋電機10名,サンデン3名,日本サーボ2名,日東電機製作所1名,澤藤電機1名の計17名であった。
群馬支所長の挨拶の後,(株)ダイキン空調技術研究所 取締役社長の大山和伸氏が「地球温暖化防止から見た省エネエアコン技術の最新動向」と題して講演した。
まず,地球温暖化問題と国のCO2排出抑制対策であるトップランナー方式や省エネエアコンの重要性について解説があった。その中で,CO2排出削減のための全体計画は,新エネルギーを1とした場合,省エネルギーが6.3,原子力が2.8であり,原子力の現状を考えるとますます省エネルギーが重要となるということが示された。続いて,省エネエアコンのための圧縮機関連技術やパワーエレクトロニクス技術として,IPMモータの開発,正弦波PWMインバータの採用,そしてシステムの高効率運転制御法など,最新の技術について説明があった。
講演会後,群馬県内の企業の方が13名程残って,1時間にも及んで技術的な情報交換が行われた。このように群馬県内の企業にも大変有益であり,従って,学生にとっても最先端の話を聞くことが出来,大変有意義な講演会であった。
講師 谷口 晃 氏 (株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー代表取締役社長)
主催 電気学会東京支部群馬支所
日時 平成14年10月29日(木) 12時40分〜14時10分
場所 群馬大学工学部3号館5階E4教室(群馬県桐生市天神町 1-5-1)
参加者は二十五名で、学外からは日本シイエムケイの一名であった。
支所長である石川教授の挨拶の後、(株)インテリジェントセンサーテクノロジー代表取締役社長の谷口晃氏が「一歩前進―味覚センサ事業化への道―」と題して講演した。
まず、氏の経歴から入り、なぜ味覚センサ開発の道に進んだかを説明された。センサ開発の目的は味の客観的な評価であり、岩手県との共同研究として行った日本酒の評価を例に説明された。通常、人間が酒を飲んで評価するが、個人差や体調による影響を受け、客観性・再現性に問題があり、化学分析では人間の評価と結果が一致しないため、味覚センサが必要となる。
味覚センサの原理は、酸味、苦味、旨味等を検出する8本の脂質膜センサを酒等試料に浸し、各センサの出力をコンピュータでパターン認識、多変量解析し、味覚を客観的に測定するという物である。
谷口晃氏はこの味覚センサでベンチャー企業を興されましたが、この経験から学生諸君に、専門外のことにも興味を持つことの重要さ、また、身近な人の協力で企業を興すことができた経緯から人間関係の重要さを説かれ、講演を終えられました。氏は昭和43年本学大学院電気工学専攻修了の卒業生であり、学生諸君にとっては第一線で活躍されている先輩の話を聞くことが出来、大変有意義な講演会となった。
講師 松下 近 氏(松下通信工業(株) R&D戦略グループ開発プロセス革新チーム担当副参事)
主催 電気学会東京支部群馬支所
日時 平成14年7月4日(木) 12時40分〜14時10分
場所 群馬大学工学部3号館5階E4教室(群馬県桐生市天神町 1-5-1)
参加者は百九名で、学外からは日本シイエムケイの一名であった。
支所長である本学の石川教授の挨拶の後、松下通信工業(株)R&D戦略グループ開発プロセス革新チーム担当副参事の松下近氏が「機器メーカから見たシステムLSI技術の現状と動向」と題して講演した。
まず、企業の研究開発技術者は技術開発の方向と目標を考える時に、応用製品市場の動向を把握すると題し、PC、携帯電話、ナビゲーションシステム等のこれまでの販売台数と今後の需要予測について説明され、製品によっては中長期的に成長が期待できるとの結論であった。また、日本の半導体産業は競争力を失いつつあり、生産の海外シフトは避けられず、国際競争力の低下を防ぐ答えを直ぐに見いだすことは難しいという、なかなか厳しい話があった。
マルチメディア・ネットワークの分野は、政府のIT化構想もあり、今後有望な分野となり、チャンスはあるものの、極めて厳しい競争が繰り広げられるであろうという話であった。最後に、国際社会人として必要なスキルと題し、氏の考えを述べられ、学生諸君に対しエールを送る形で講演を終えられた。松下近氏は、昭和46年本学大学院電気工学専攻修了の卒業生であり、学生諸君にとっては第一線で活躍されている先輩の話を聞くことが出来、大変有意義な講演会であった。