2023年度講演会



演題   インベンションからイノベーションへ 〜技術ロードマップとバイオデザイン〜
講師   中村 亮一 氏(メディエライト合同会社 代表社員) https://www.medielite.net
日時   2023年12月7日(木)13:00〜14:20
場所   前橋工科大学工学部142講義室(群馬県前橋市上佐鳥町460-1)
主催   電気学会東京支部群馬支所
共催   前橋工科大学工学部システム生体工学科
協賛   特定非営利活動法人 Wireless Brain Network
参加人数 52人(学生:47人,教職員:3人,一般:2人)

講師は工学系の学問を修めた後、医療系の大学に就職し、デジタル医療の研究に従事してきた。 手術前と手術中の様々な情報を集めて、その情報をもとに手術を制御しようというものである。 具体的には、手術ナビゲーションシステムや手術分析システム、そしてそれらの情報をもとに将来はロボットを制御して手術を自動化する研究である。 その後、起業して現在に至っている。先駆的な技術開発・研究はイノベーションの「種」に過ぎず、実装・普及・定着を伴って初めて社会変革は達成される。 講演では、講師のこれまでの医工学研究・産学連携活動の経験を元に、医工学領域でのイノベーションに必須な2つのテーマ(手術支援ロボットの現状と将来,技術を事業にするためのデザイン思考)について解説があった。 聴講した学生からも積極的に質問があり,生体医工学を学ぶ学生にとって大変興味深い講演であった。







演題   人工心臓の開発の歴史と最新の人工心臓の紹介
講師   栗田 伸幸 氏(ベイラー医科大学 外科部 テキサス小児病院 先天性小児心疾患外科 准教授 / 群馬大学 理工学部 准教授)
日時   2023年11月14日(火)16:00〜17:30
場所   群馬大学 桐生キャンパス3号館 電気電子棟 5階E大教室(群馬県桐生市天神町1-5-1)
主催   群馬大学理工学部,電気学会東京支部群馬支所
参加人数 来場:24名(教職員4名,学生12名,学外8名)/ オンライン参加:17名

本講演では、人工心臓の開発の背景や、心臓移植の現状、最新の人工心臓の紹介についてお話をいただいた。はじめに、人工心臓の必要性に関する説明をしていただいた。 重症心不全患者には心臓移植が最も有効な手段であるが、その待機時間は深刻なドナー不足によって約4年と長期化している。この期間、患者が安全に過ごすためには人工心臓が必要となる。 人工心臓の開発には、磁気浮上という技術が使われている。専門外の聴講者向けに、倒立振子をモデルに簡単な磁気浮上とその制御について説明していただいた。 人工心臓では、耐久性や安全性を求める必要がある。人工心臓内部のインペラ(羽根車)部分では、磁気浮上により非接触に浮かせて回転させることにより、血液へのダメージを減らす仕組みが必要となる。 次に、最新の人工心臓の紹介をしていただいた。栗田氏が開発に携わっている小児用磁気浮上人工心臓や、経カテーテル人工心臓、全人工心臓BiVACOR、中国 蘇州大学のmagAssist体外設置型VLADの開発を説明していただいた。 講演後、聴講者からの質疑応答も活発に行われ、人工心臓や心臓移植の現状など理解が深まる大変有意義な講演となった。











演題   DC Energy Conversion - Three Port DC converter with Synthesis Wireless Power Port Connection
講師   Song Xu 氏(Ph.D. PD., Lecturer, Department of Electronics and Informatics Jiangsu University of Science and Technology)
日時   2023年10月2日(月)16:00〜17:30
場所   群馬大学 桐生キャンパス3号館 電気電子棟 5階E大教室(群馬県桐生市天神町1-5-1)
主催   電気学会東京支部群馬支所
参加人数 17名(学生13名,教職員4名)

本講演では,再生可能エネルギー変換システムの重要なトピックであるDCエネルギー変換について講演いただいた.まず,提案するシステムについての説明があった. システムは,直流電圧に接続可能な2つの入力ポートと,LCL-LCL型のワイヤレス結合タンクによって部分的に絶縁された1つの負荷ポートを有する. これにより,入力ポートのソースが不平衡な電圧レベルを持つことができるそうだ.また,回路にはDuty 比によって4つの状態をスイッチできるという. その後,シミュレーション結果より,提案システムが負荷に依存しない定電流性能と,高いピーク効率を達成できることが示された. 提案システムの利点として,単純な4つのスイッチによる低コスト化,ワイヤレスタンクによる部分的な分離,異なる電圧レベルのための良好なマージン,定電流特性,ACとDCの同時変換の5つがあるという. 新たなDCコンバータの理論について触れることができ,大変有意義な講演であった.









演題   理系作文のすゝめ
講師   足立 修一 氏(慶應義塾大学 名誉教授)
日時   2023年7月31日(月)14:00〜15:30
場所   群馬大学 桐生キャンパス 同窓記念会館 講堂(群馬県桐生市天神町1-5-1)
主催   電気学会東京支部群馬支所
参加人数 19名(学生15名,教職員4名)

本講演では慶應義塾大学 名誉教授の足立 修一先生に理系学生向けに作文能力向上のための論理的な理系作文の方法論に関してお話をいただいた。 初めに,これから研究を始める学生へのメッセージをいただいた。次に,”良い文章”に関する説明をいただいた。 論文や文章を書くときに最も大切なこととして,執筆者の伝えたいことに対する熱量や相手に伝えるためのストーリーが必要であると説明していただいた。 悪い文章と添削した文章を実際に読み比べ,「新情報の後置」の方法や,段落の作り方を教わった。 最後に,理系作文の総まとめとして,ストーリーの作り方である文章の「序破急」や簡潔な表現,主語述語の明確さ,言い切る表現など重要なポイントを説明していただいた。 参加した学部生や大学院生は,論文執筆の方法や意識すべきポイントを学ぶことが出来た。大変参考になる講演であった。









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